切らずにできる作り帯「半幅帯 変わり矢の字」
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はじめに
私はいくつかの名古屋帯・半幅帯を「作り帯」にしています。
せっかく着物をきて出かけているのに「帯が崩れたらどうしよう」と気にするのも嫌だし、帯がうまくできなくてせっかくの「着物をきたい!」という気持ちがしぼんでしまうのも嫌。もっと手軽に着物を楽しみたいのです。
さて、写真のピンクと緑の縞の半幅帯。
ポリエステル素材だからなのか、キツく絞めても滑って崩れやすく箪笥の奥にしまわれたままでした。色や模様は気に入ってるので作り変えてみることにしました。
形は「変わり矢の字」です。
帯締めをしめることを前提としています。
今回ご紹介するやり方は半幅帯を切らずに作れるので後から解く事もできます。
注意:[自作] 作り帯のデメリット
- 帯に穴があく
- 形を作るために糸で縫うためどうしても帯に針の穴があいてしまいます。アンティークの帯・刺繍が施されている帯は穴が目立ってしまうこともあります。
- 折り目がつく
- 矢の字に折って固定するため生地によっては折り目がしっかりとついてしまい、後から解いても折り目が取れない場合もあります。
- 収納がかさ張る
- 立体的なモチーフがあるので収納にも場所をとります。
上記のようなデメリットはありますが、それを上回るメリットの方が私にとっては大きいのです。デメリット部分が不安な方はまずは自作の半幅帯を使って作り帯を作ってみてはいかがでしょうか。
作り方
【矢の字】
半幅帯の裏側を上にしておきます。
帯の右端から100cmくらいの場所を基点とし、下に折ります。
ここから先は下に折った帯の右側を使って矢の字を作っていきます。
【矢の字】
帯の下側に合わせて上に折ります。
【矢の字】
さらに帯の上側に合わせて下に折ります。
【矢の字】
上の部分をクリップで留めて固定しておきます。
【矢の字】
お太鼓の長さ23cmあたりのところを基点にし(★の所)、お太鼓よりも約2.5cm上に出たところまで斜めに折り上げて左の羽根にします。
お太鼓の長さや羽根の大きさは好みによって変えてください。
【矢の字】
お太鼓部分を持ち上げてたれの調整をします。
たれの部分を折りあげて長さや向きを調整してください。
私はたれが斜めになっているのが好きなので、かなり強引に斜めに折っています。
【矢の字】
左の羽根部分の上をクリップで留めて固定しておきます。
【矢の字】
帯の左側の先端を持ち、表が上になるように折り曲げます。
そして左側の先端を、左側の羽根の上を通りつつ、お太鼓の中に差し込んでください。
【矢の字】
左の羽根の形に沿うまで引っ張ります。
ここがもたつくと緩んでしまうのでピシッと引っ張ります。
下側をクリップで留めて固定しておきます。
【矢の字】
差し込んだ帯を折って右の羽根にします。
大きさは左の羽根や全体を見て調整してください。
折った帯は一番下にきます。
これで矢の字は完成です。
【帯部分】
次は体に巻く部分を作ります。
矢の字が下になるようにひっくり返します。
お太鼓の上のラインと、体に巻く帯部分のラインが平行になるように折って調整します。
【帯部分】
帯部分を二つ折りにします。
表側を見せたい場合は山折りに、裏側を見せたい場合は谷折りにして矢の字の中心にくるようにします。
クリップで留めて固定しておきます。
ここまでできたら一度仮で自分に巻いてみてください。矢の字のお太鼓の大きさ、羽根の長さ、たれのながさや向きを調整。また帯部分が自分のお腹を一周するかもチェック。短い半幅帯だったら足りないかもしれません。
【矢の字を縫って固定】
まずは矢の字部分の真ん中を縫い留めます。お太鼓の下まで糸を通しています。ど真ん中をしっかりと縫って固定しておけば矢の字は崩れませんので何度か往復させてしっかりと縫います。
あとは長さ調整の為に折り込んだ部分などを縫って調整しています。
【帯部分を縫って固定】
まずは白丸部分のように(11)で折って調整した部分を縫って固定させます。
次に、画像では見えないのですが赤丸の折り目の下から矢の字へ糸を通し、帯と矢の字を固定させています。
【帯を締めるための紐やマジックテープをつける】
矢の字の中心と帯の先に紐やマジックテープを付けます。私は簡単に装着できるようマジックテープをつけました。
一度仮止めして、つけた時に紐やマジックテープが横から見えていないか試着してみてください。それから本縫いしてください。
完成
この作り帯は帯締めをしないと矢の字の上の方がパカパカ浮くので、帯締めをした方が帯が安定します。
上記の方法だとペッタンこな矢の字になります。
普段着物・部屋着物・観劇の時などはボリュームのない方が便利です。
「もう少しボリュームが欲しいな」という方は【右の羽部分】の中央・ちょうどお太鼓部分に隠れる所を紐やゴムでしばりタックを作るとふっくらとした帯ができます。
作品紹介
私が今まで自作した半幅帯を紹介いたします。
表と裏で異なる生地を使うと裏がチラッと覗いた時にアクセントになるのが好きです。
ゼブラ柄はどんな着物にも合う万能柄でヘビロテしています。